建設業を営もうとする者は、請負金額が500万未満の工事など、いわゆる軽微な工事のみを請け負って営業しようとする場合を除いては、建設業の許可を取得しなければならなりません。
下請として仕事を請負う場合には、元請会社から許可の写しを求められることがあります。いざ仕事をするときに許可がないとせっかくのチャンスが逃げてしまうことになりかねません。持っていることにより金融機関にも信用が付きます。
① 二以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合……
国土交通大臣
※本店の所在地を所管する地方整備局長等が許可を行います。
②一の都道府県の区域内のみに営業所を設けて営業しようとする場合……
都道府県知事
※営業所の所在地を所轄する都道府県知事が許可を行います
建設業の許可は、下請契約の規模等により「一般建設業」と「特定建設業」の別に区分して行います。
この区分は、発注者から直接請け負う工事1件につき、3,000万円(建築工事業の場合は4,500万円)以上となる下請契約を締結するか否かで区分されます。
発注者から直接請け負った1件の工事代金について、 | 特定建設業の許可が必要です。 |
上記以外 | 一般建設業の許可で差支えありません |
建設業の許可を受けるためには、法第7条に規定する4つの「許可要件」を備えていること及び同法8条に規定する「欠格要件」に該当しないことが必要です。
なお、「許可要件」及び「欠格要件」については、以下のとおりです。
1.経営業務の管理責任者としての経験がある者を有していること
許可を受けようとする者が法人である場合には常勤の役員のうちの1人が、個人である場合には本人または支配人のうちの1人が次のいずれかに該当することが必要です。
(イ)許可を受けようとする建設業に関し、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること。
(ロ)許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し、7年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有していること。
(ハ)許可を受けようとする建設業に関し、7年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位(使用者が法人である場合においては役員に次ぐ職制上の地位をいい、個人である場合においては本人に次ぐ地位をいう。)にあって、経営業務を補佐した経験を有していること。
2.専任技術者の設置
建設工事に関する請負契約の適正な締結、履行を確保するためには、許可を受けようとする建設業に係る建設工事についての専門的知識が必要になります。
見積、入札、請負契約締結等の建設業に関する営業は各営業所で行われることから、営業所ごとに許可を受けようとする建設業に関して、一定の資格または経験を有した者(専任技術者)を設置することが必要です。
また、専任技術者は「営業所ごとに専任の者を設置」することとされていますので、その営業所に常勤していることが必要です。
①指定学科修了者で高卒後5年以上若しくは大卒後3年以上の実務の経験を有する者(法第7条第2号イ該当)
②10年以上の実務経験を有する者(同号ロ該当)
許可を受けようする建設業に係る建設工事に関して、10年以上の実務経験を有している者
③建設省告示352号(昭和47年3月8日)の対象者(法第7条第2号ハ該当)
許可を受けようとする建設業に係る建設工事にかんして、旧実業学校卒業程度検定規定による検定で指定学科合格後5年以上または旧専門学校卒業程度検定規定のよる検定で指定学科合格後3年以上の実務経験を有する者
④国家資格者:建設省告示352号(昭和47年3月8日)の対象者(法第7条第2号ハ該当)
許可を受けようとする建設業に係る建設工事ごとに定められた技術検定、技能検定等に合格した者
3.誠実性(法第7条第3号)
4.財産的基礎等(法第7条第4号、同法第15条第3号)
(一般建設業の許可の場合)
次のいずれかに該当すること。
≫自己資本が500万円以上であること
≫500万円以上の資金調達能力を有すること
≫許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること
(特定建設業の許可の場合)
次のすべてに該当すること。
≫欠損の額が資本金の20%を超えていないこと
≫流動比率が75%以上であること
≫資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万以であること
許可申請書またはその添付書類中に虚偽の記載があった場合や重要な事実に関する記載が欠けている場合、また、許可申請者やその役員若しくは令第3条に規定する使用人が成年後見人もしくは被保佐人又は破産者等に該当する場合、許可は行われません。
経営事項審査とは、国、地方公共団体などが発注する公共工事を直接請け負おうとする建設業許可業者が必ず受けなければならない審査です。
公共工事の発注機関は、競争入札に参加しようとする建設業者についての資格審査を行うこととされており、審査結果を点数化し、順位を付け、格付けに採用しています。点数を把握、分析することで対策を事前に取りましょう。
当事務所では分析とともにシュミレーションをして点数アップのためのアドバイスを行っています。